2016年2月25日
種付シーズンを目前に控えて
この稿を執筆しているのは2月初旬。出産の便りもちらほら聞こえ、種付シーズン到来も目前である。新年度の業務も日々動いているが、年明けから1カ月余りの日々の出来事を、日記形式でたどってみたい。
1月7日
種付権利の売買が活発化。昨年暮れにかけては、社台スタリオンステーション繋養種牡馬の受胎条件権利の申込が取引の中心だったが、例年年明けは、シンジケート種牡馬の種付権利を購入する動きがにわかに活発化し、取引が多数成立する。この時期の人気の中心は、社台スタリオン繋養の新鋭種牡馬や、日高地区繋養の実績ある種牡馬だ。
この日取引のあった種付権利の主要なところを挙げれば、社台スタリオン種牡馬では、エイシンフラッシュ、キンシャサノキセキ、ジャスタウェイ、ダノンシャンティ、フェノーメノといった新進気鋭の人気種牡馬、日高地区の種牡馬では、シンボリクリスエス、スクリーンヒーロー、ブラックタイド等の実力種牡馬と、大変明瞭に区分けできるところが面白い。
1月20日
静内で、(株)ジェイエス主催の冬季繁殖馬セールが開催される。欠場馬が少々多く、取引の行方が心配される向きもあったが、38頭の上場馬中31頭が売却され、売却率81.6%、売却総額1億1325万円、平均価格365万円と、上々の結果を残した。重賞勝ち馬ウリウリの全妹スウィートレイラニ(未供用・父ディープインパクト)が、2050万円のセール最高価格で落札されるなど、活発な取引が相次いだ。
一時期のような10万円程度の処分価格で取引される牝馬が激減し、繁殖牝馬としての価値を真剣に見定められた牝馬が、それ相応の適正価格で取引されており、繁殖牝馬セール本来の姿に戻ったと言えるだろう。
1月28日
本年のセレクトセール開催に向けて、日本競走馬協会本部や社台グループの実務者の方々が集まり、準備会議が開かれた。来場者受付、鑑定・スポッター業務、施設設備、カタログ広告等々、多岐にわたるセール運営全般に及び、忌憚のない意見交換を行い、更なる改善を図っていくこととした。本年の7月11日、12日開催のセレクトセール本番に向けて、準備作業が始まった。
1月29日
ブリーダーズスタリオン繋養の新種牡馬グランデッツァの試験交配が成功。慎重な性格もあって多少日にちを要したが、しっかりマウントし無事仕事を終え、現場を含め皆一安心。翌々日は精液検査も無事クリア。あとは申込をいただいている花嫁たちの来場を待つのみだ。
他の先輩種牡馬も準備万端。いよいよシーズン到来目前である。
2月5日
2月17日に開催されるブリーダーズスタリオンステーションの種牡馬展示会の案内を、生産者や馬主の方々へ発送。競馬週刊誌や業界紙での広告も打ちながら、とにかく一人でも多くの皆さんに種牡馬を見ていただき、配合の申込をいただければ……というのが偽らざる気持ち。展示会当日の穏やかな晴天を今から祈っている。