重賞勝ち馬News

Stallions in Japan

会員の勝ち馬

取引馬データベース

よくある質問

日本競走馬協会について

バナーエリア

日高便り

2007年2月1日

07年新種牡馬事情

ディープを筆頭に期待馬ずらり

北海道事務所・遠藤幹

 2月になった。 いよいよ種付業務も解禁である。 昨年まで競馬シーンを盛り上げたスターホースたちが、 生産地で続々種牡馬入りしている。 これら新種牡馬の顔ぶれを眺めてみたい。
 最大手の社台スタリオンには、 言わずもがな、 ディープインパクト(父サンデーサイレンス)がスタッドインした。 ラストランとなった有馬記念での圧勝劇は記憶に新しいが、 種牡馬入りのインパクト(衝撃)も強烈だった。 種付料は1200万円 (前納・受胎条件) に設定されたが、 昨年暮れまでに満口となった。
 ディープインパクトを破った唯一の日本産馬ハーツクライ (父サンデーサイレンス) も供用開始となる。 500万円 (前納・受胎条件) の種付料は、 ドバイシーマクラシック圧勝など海外のレースでの成績を考えればかなりお値打ちかも。 種牡馬競争でもディープインパクトに先着できるかどうか、 これまた興味は尽きない。
 スニッツェル (受胎150万円) は豪州チャンピオンサイアー、 リダウツチョイス (父デインヒル) 直仔の新進気鋭種牡馬。 阪神大賞典などを制したリンカーン (父サンデーサイレンス) は種付料も100万円 (受胎条件) とお手頃で、 交配申し込みも順調に増えている。
 社台スタリオン荻伏には、 昨年の菊花賞馬ソングオブウインド (受胎20万円) が種牡馬入りした。 早世した名種牡馬エルコンドルパサーの後継として期待は大きい。 ディープインパクトの全兄オンファイア (受胎30万円) もこちらに繋養される。
 ブリーダーズスタリオンではアドマイヤジャパン (父サンデーサイレンス、 受胎80万円) が種牡馬入りした。 弥生賞はクビ差、 菊花賞では果敢な先行策で2馬身差と、 同世代で唯一、 ディープインパクトと真っ向勝負を挑めた逸材だった。 母が2歳牝馬チャンピオンのビワハイジと血統的裏づけも十分だ。
 ダーレー・ジャパン・スタリオンにはファンタスティックライトとルールオブローの2頭が導入された。 ファンタスティックライト (父ラーイ、 受胎条件350万円) はBCターフなどGI6勝を挙げたワールドチャンピオンホースで、 すでに交配申し込みも予定数に達したようだ。 ルールオブロー (受胎150万円) は英セントレジャーの勝ち馬で、 ダーレーではアルカセットに続く2頭目のキングマンボ系種牡馬となる。
 ビッグレッドファームには、 ブライアンズタイム産駒のダート王、 タイムパラドックス (受胎30万円) が入厩した。 ダート交流重賞4勝のミツアキサイレンス (父エイシンサンディ、 受胎20万円) は、 優駿スタリオンで供用される。
 静内のJBBA種馬場には、 ロックオブジブラルタルとデビッドジュニアが導入された。 GI7連勝の欧州チャンピオンマイラー、 ロックオブジブラルタル (父デインヒル、 前納420万円・受胎条件) には交配申し込みが殺到したと聞く。 デビッドジュニア (前納180万円・受胎条件) は英チャンピオンSなどを制した欧州中距離王者で、 父はリボー系の名種牡馬プレザントタップ、 母系にはシアトリカルなどがいる良血だ。
 アロースタッドではスズカマンボ (受胎220万円) が種牡馬入り。 天皇賞・春を制したサンデーサイレンスの後継である。 第2回セレクトセール出身で長く第一線で活躍したバランスオブゲーム (父フサイチコンコルド・受胎20万円) も供用開始となる。
 NHKマイルCなどを勝ってトップマイラーとして活躍したテレグノシス (父トニービン・受胎20万円)、 青葉賞勝ち馬のルゼル (父ザフォニック・出産20万円) の2頭は、 レックススタッドで供用される。
 浦河地区の新種牡馬はネヴァーフォゲット (父コマンダーインチーフ・無料) 1頭になりそうだ。 三冠牝馬マックスビューティの最後の産駒となるが、 「決して忘れないで!」 という馬名どおり、 老舗浦河の名を高める活躍馬を送り出してほしい。
 以上、 ざっと俯瞰したうち、 輸入種牡馬は社台、 ダーレー、 JBBAの5頭のみで、 日高各地区で輸入種牡馬導入競争を繰り広げていたのも遠い昔となりつつある。 2002年に370頭の登録があった種牡馬も昨年は292頭にまで減じ、 4年間で78頭、 20%強も減少した。
 多頭数交配時代となって種牡馬の必要頭数も大きく減少したが、 その一方で血統の固定化がじんわり進行している。 特に目立つのは輸入種牡馬の減少で、 これは海外からの導入、 すなわち血統の更新が滞っていることを意味しているが、 果たしてその影響はいかがなものだろうか。 サンデーサイレンス系種牡馬が全盛期を迎えているからこそ、 その次が大いに気になるところだ。

バックナンバー

過去の日高便り

2021年

2020年

2019年

2018年

2017年

2016年

2015年

2014年

2013年

2012年

2011年

2010年

2009年

2008年

2007年

2006年

2005年

2004年